Go Westな日々


GoWest2008農とアートと贈与の旅から始まった私たちのGoWestな日々をつづる
by gowest2008

こころのたねとして 感想

こころのたねとして感想 シズカ


白金の町でこころのたねとしての実践は今回で二回目。
今年の2月に行った前回と同じく、二回目の今回も白金の町工場を
親子2代で続けてきた押見製作所のこたねをつくらせていただくことに。

前回は押見さん親子2代にとっての白金にあるこの町工場について、
その町工場を営むお二人の姿、職人、時代の移り変わりについてこたねにした。

こたねをつくるのは今回で6回目くらいなのだけれど、今回は初めてテーマというのを決めて作った。ききとりを行う人に聴きたいテーマ。それが私にとって難関だった。

ききとりを行うとき、私はなるべくその人といつものようにおしゃべりして、その中でふと出てきたことばや仕草なんかを取り出してこたねにする。
でもそれは一回目のききとりだからこそできるものなんだなぁと感じた。
一回目は何も知らないからとりあえず昔のことから些細なことまでざっくばらんにお話を聴くことができた。でも、二回目となると、やはり切り口が聴き手にも聴きとられる側にも必要になってくることがわかった。

当初のテーマは「押見さん親子3代の白金の道」だった。1代目のおやじさん。2代目の押見さん。3代目の娘さん。
でも、時間の都合や、問題が生じて押見さんとしか町を歩くことしかできなかった。
それでも時間を作ってくれて暑い中白金の町を案内してくださった押見さん。

仕事の道。
保育園、小学校、中学校、そのときそのときの思い出の話。
より道。
マラソンの練習をした道。
再開発のために取り壊しになってしまった建物や工場、家。
遊び場だった町。
通らない道。

案内してくれる押見さんの目には何か今映っているものとは別のものをみている目をしてて、とっても4次元的な不思議な感覚だった。

二回目にききとりに行ったときは、おやじさんと奥さんと一緒に四の橋市場にあるスーパーに夕飯のお使いにご一緒させていただいた。
「今日の夕飯は肉じゃが」
商店街に着くまでの道で、昔の白金の話。
一歩一歩ゆっくりだけど、自分の足で二人寄り添いながら歩いている姿がなんだかとても印象的だった。

こうしてみると、なにも特別なことをきいたわけでもなくて、今回こたね作りはちょっと頭をひねってしまった。
町を歩いたり、お話をしたり、日常のことで些細なことなんだけど、私にとってはとても興味深くて素敵な体験だった。

夜になると家々に明かりがたくさん灯って、こんなにたくさんの人が生活してるんだなぁってことを実感する。それと同時に一人一人にとっての一つ一つの生活・世界があることに驚いて、世界は広いなぁって思ったりする。

もしかしたら関われなかったであろうひとつの世界に関わらせていただくことができて私はとてもうれしくなる。
けど、相手側はどうなんだろう?っていつも思う。
こたねをして、ききとられた側はどう思うんだろうって。
表現が間違っていたり、解釈が違っていたりすることによって相手側が苦しむことになるやもしれない。こっちが積極的に肯定的に行うことによって相手を追い込んで苦しめることになるかもしれない。
ことばにするのがこわくなって、それと同時に自分の殻にこもってしまう時期があった。
作ったこたねは「押見さんを通してみた白金の町」から「目にみえる白金の町」になってた。

発表2日前に行われたリハーサルで大阪の釜ヶ崎から来てくださったココルームのまいさんからアドバイスをもらう。
「もっと押見さんらしさが出てもいいんじゃないかなぁ。」

そのことばを聴いてなんとなく自分の作ったこたねに納得していない自分に気づく。
「納得してない詩を発表するのは自分にとっても相手にとっても聴いてくれる人にとっても絶対だめだ!!」って思って、急きょつくりなおす。

本番。
納得できるものを発表できてよかった。
終わったあと、聴いてくださった方からいろいろな感想をいただいた。
こたねは聴いてくれる人がいて初めて完成するんだなぁと改めて思った。

表現することはこわい。
それは去年のGo Westの旅でも思ったことだ。
けど、表現しないことにはなにも始まらない。
こたえのないものでもとにかく考えつづけ、表現しつづけていくことが大事なんだと感じた旅。
こたねはそれを思い出させてくれた。

ききとりのときにふと押見さんが言ってくださったことを思い出した。
「今度はおふくろが見て支えてきたこの工場っていうのをこたねにしてもおもしろいんじゃない?」
これからも押見製作所に足を運んでもいいよって言ってくださったみたいでうれしかった。
今度はおやじさんから文庫本(昔の白金の町を舞台にした)を借りているので、その話に花を咲かせたいなぁと思いつつ。

まいさんに「あなたは押見さんのなんなの(笑)?」って言われたけれど、
なんなのでしょう(笑)?

でも、“学生と町の人”という肩書きが少し薄まったくらいの関係ではあるのかなぁと思ったりもします。



静香
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by gowest2008 | 2010-07-13 16:16
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